<透析食シリーズ>9月 「血糖」


くまクリニックでは、毎月集団栄養指導を行っています。

【実施日】2022年9月19・20日

テーマ:血糖




9月の透析食講座は「血糖」についてお話をさせて頂きました。







パンやご飯、麺などの炭水化物である糖分は体の中で消化吸収されて、ブドウ糖(グルコース)になり、血液中に入って体のエネルギーになります。その血液中のグルコースの濃度のことを血糖値といいます。

血糖値の目標値
・随時血糖値(透析前あるいは食後2時間血糖値):180~200mg/dl未満
・グリコアルブミン(GA):20%未満
 ※24%未満(心血管イベントに既往を有し、低血糖傾向のある方)


グリコアルブミン(GA)とは?
グリコアルブミン(GA)は、血液中のアルブミン中でブドウ糖と結合しているアルブミンの割合のことを言います。
過去2~4週間の血糖状態を反映します。


食後の高血糖を防ぐために、糖質がゆっくりと吸収される食材を選びましょう。
その判断基準としてGI(グリセミック・インデックス)という指標があります。




GI値とは?
食材の炭水化物50gを摂取した時に、どれくらいのスピードで血糖値が上がるかを示した指標です。血糖値の上昇率が一番高いグルコースの指標を100としたときの血糖値の上昇率を数値で表します。
食後の血糖値を上げないためには、ゆっくりと糖質が吸収されることが望まれるので、GI値が低い食材を選択することになります。
GI値55以下の食材を選ぶようにしましょう。
低GI値食品は、食物繊維や脂質、たんぱく質などの成分を多く含んでいることが多いため、消化・吸収に時間がかかります。そのため血糖値の上昇も緩やかになります。
また低GI値食品は消化に時間がかかるものが多いため腹持ちが良く、食べ過ぎを防いでくれます。空腹感に負けてついつい食べ過ぎてしまう方は、低GI値食品を積極的に食事に取り込んでみましょう。


食後の血糖値をするために、まずは食べる順番を見直しましょう。食べる順番を見直すことによって、血糖値の急激な上昇を抑えることができます。









 

≪展示食≫



●栗赤飯 ●鯛の潮汁

●紅白なます ●盛り合わせ ●果物


★栗赤飯★


<材料>(2人分)
・小豆          15g
・米           80g
・もち米         60g
・塩        ひとつまみ
・栗(甘露煮)      15g


<作り方>
① 水を張った鍋に小豆を入れ火にかける。沸騰したら一度茹でこぼして水を足し、再度火にかけ、少し柔らかくなってきたら火を止めて、茹で汁は捨てずに冷ます。
 ② 米を洗い、小豆を米と合わせ、小豆の茹で汁を一合の目盛まで入れたら、塩を入れて炊く。
 ③ 栗(甘露煮)をきざみ、炊きあがったご飯に混ぜる。




【1人分の栄養価】


エネルギー:332kcal
たんぱく質:6.0g
カリウム :108mg
リン:66mg
食塩 :0.5g
水分:96.9g















 

★鯛の潮汁★


<材料>(2人分)
・真鯛     2切れ(80g)
・水          300ml
・昆布         1枚
・酒       小さじ2/3
・食塩      ひとつまみ
・薄口醤油    小さじ2/3
・みりん     小さじ1/3
・生麩         2つ
・貝割れ大根      10g


<作り方>
① 鍋に出汁、酒、食塩を入れ食塩が溶けるまで混ぜる。
② ①に昆布を敷き、上から鯛を皮を下にして入れ10分置く。その後火にかけ少し温まったくらい(40℃)で鯛を裏返し蓋をする。
③ 沸騰しない程度に温まったら5分程おいて鯛だけ一度取り出し、再度加熱する。
④ ③をキッチンペーパーを敷いたザルでこして鍋にとり、醤油、みりんで味を調え再び火にかける。
⑤ お椀に鯛を入れ④を流しいれる。上に下茹でした貝割れ大根と生麩を加えて出来上がり。




【1人分の栄養価】


エネルギー:95kcal
たんぱく質:10.7g
カリウム :228mg
リン:118mg
食塩:0.7g
水分 :194.2g














★紅白なます★


<材料>(2人分)
・大根         50g
・人参         10g
Ⓐ・食塩        0.4g
Ⓐ・酢       小さじ1
Ⓐ・砂糖      小さじ1
・かつお節    ひとつまみ


<作り方>
① 大根と人参は皮をむき千切りにし茹でこぼしたら、水気をきる。
② ①にⒶを入れ和える。
③ ②を器に盛り、上にかつお節をのせる。



【1人分の栄養価】


エネルギー:15kcal
たんぱく質:0.1g
カリウム :76mg
リン:6mg
食塩:0.1g
水分 :33.9g














 

★盛り合わせ★


<材料>(2人分)
有頭えびの含め煮
・えび          60g
Ⓐ・出汁         20g
Ⓐ・薄口しょうゆ  小さじ1/2
Ⓐ・酒       小さじ2/3
Ⓐ・みりん     小さじ2/3
Ⓐ・上白糖     小さじ1/3


三色巻き
・鶏もも肉        80g
・人参          20g
・ごぼう         20g
・いんげん        10g
Ⓑ・出汁         40g
Ⓑ・しょうゆ     小さじ1
Ⓑ・酒       小さじ2/3
Ⓑ・みりん     小さじ2/3
Ⓑ・砂糖      小さじ2/3


・ぶなしめじ       20g
Ⓒ・出汁         30g
Ⓒ・薄口しょうゆ  小さじ1/3
Ⓒ・みりん     小さじ2/3
・絹さや          5g


<作り方>
★有頭えびの含め煮
① 有頭エビは、背の真ん中から爪楊枝を差し込み、背わたを取る。
② 頭と尻尾を合わせるように、背中を曲げ、爪楊枝で刺して固定する。
③ 鍋にⒶを入れて中火に熱し、ひと煮立ちしたら②を加えて弱火にし、4分程煮込む。
この時、アクが出る場合は取り除く。
④ 火を止め、ゆっくりと煮含めるように常温で冷ます。


★三色巻き ① 鶏肉はそぎ切りにし開き、皮をしたにして叩いて広げる。
② ごぼうはよく洗い皮を包丁の背でこそぎ落とし鶏肉と同じ長さに切る。縦1/4にカットして酢水(分量外)に15分ほど浸ける。
③ お湯を沸かし酢水に漬けたごぼうを流水ですすぎ柔らかくなるまで茹でる。
④ 人参も一本を半分にカットして短冊切りにして、茹でこぼしする。
⑤ いんげんは筋取りをして下茹でする。
⑥ 鶏肉にごぼう、人参、いんげんをのせて巻きタコ糸を巻いく。
⑦ 鍋にⒷを煮たたせ、⑥を入れて落し蓋をし10分ほど煮る。
⑧ 出来上がった⑦を6等分に切る。
★信田巻き
① 油揚げは油抜きをし、絞っておく。
② ごぼうはよく洗い皮を包丁の背でこそぎ落とし油揚げの横巾(長い方約14㎝)に切る。
縦1/4にカットして酢水(分量外)に15分ほど浸ける。
③ お湯を沸かし酢水に漬けたごぼうを流水ですすぎ柔らかくなるまで茹でる。
④ 人参も一本を半分にカットして短冊切りにして、茹でこぼしする。
⑤ ①の油揚げの三辺の際を切り落とし開く。
⑥ まな板の上に油揚げを広げ油揚げに軽く片栗粉を振り、ごぼう、人参、すり身をのせて巻き、爪楊枝で止める。
⑦ 鍋にⒷを煮たたせ、⑥を入れて落し蓋をし10分ほど煮る。
⑧ 出来上がった⑦を6等分に切る。


★しめじ
① しめじの石づきを切り落とし、茹でこぼす。
② 絹さやの筋をとり、茹でこぼす。
③ 鍋にⒸを入れ煮立ったら①を加えて煮る。

皿にできあがった有頭えびの含め煮と三色巻きとしめじを並べ、②を添えて出来上がり。




【1人分の栄養価】


エネルギー:254kcal
たんぱく質:23.6g
カリウム :643mg
リン:352mg
食塩:1.3g
水分 :198.7g




































<1食の合計>


エネルギー:696kcal
たんぱく質:40.4g
カリウム :1055 mg
リン :542mg
食塩 :2.6g
水分 :557.5g


 
  


9月21日は「敬老の日」ということで、いつもより華やかなお食事です。
少したんぱく質が多いので、夕食はたんぱく質を控えめにしたメニューにされることをお勧めします。
こちらの献立を参考にぜひ一度、献立を参考に作ってみてください★

  管理栄養士 島松千智・竹下京香